内容証明郵便の送付 注意事項 ~実体験から語る~

内容証明郵便 訂正




せっかく作っても意外とダメだしされる内容証明郵便

内容証明郵便は金銭絡みの請求で使われることが多いと思います。実際に私も2回利用しましたが、いずれも金銭の請求・返還の依頼でした。

大半は金銭のもめ事の解決のために使われるので、内容証明郵便を送る方からすれば、大変な思いで作っています。私の場合も、アパートの原状回復費用負担拒否と敷金返還、出資金の返還と精神的苦痛に対する慰謝料請求で使いましたが、文章を作るのも大変なうえ、精神的にも追い詰められている状態でつらかったです。

そんな中で、内容証明郵便の作成ルールの煩雑さ、実際に郵便局にもっていったときにダメ出しされたりと苦労したので記録として残しておきたいと思います。

誰かのお役に立てたら幸いです。

内容証明郵便の基本

参考になるサイト

内容証明郵便については、こちらのサイト(内容証明net)が参考になりました。

http://www.naiyo-shoumei.net/index.html

おそらくこのサイト様を見ていただければ私のブログを見る必要はないかもしれません。

行政書士さんが作ったサイトですので信頼できますし、有料ですが実際に相談にも乗ってくれますし、内容証明郵便の文章の作成も依頼することができます。

基本的なことは郵便局のサイトにも記載されています。

郵便局のHP(内容証明 ご利用の条件等)

http://www.post.japanpost.jp/service/fuka_service/syomei/use.html

しかし、これらのサイトを利用しても郵便局でダメ出しされたことがあるので、以下で私流の内容証明郵便の出し方の注意をまとめてみたいと思います。

内容証明郵便の注意事項

基本的事項

以前の自分のブログからの抜粋に内容をつけたしました。

メリット

直接、話し合う必要がない。話し合いに応じない、話し合いが上手くいかない、話し合いができない状態の場合に有効だ。

格式ばっているので、一定の説得力がある。ある程度知識のある大家さんや、気の弱い大家さんなら面倒ごとを避けるため、これで敷金返還に応じてくれる可能性がある。

証拠として残して置ける。内容証明郵便を送っても敷金が返還されない時は、少額訴訟などの手続きを取るしかないが、その時に提出する証拠として使える。つまり、敷金を返してくれと言ったのにかかわらず、返してくれないという事実を公的に証明できる。

時効を中断できる。退去した日からではなく、内容証明郵便で請求した日から時効までの年数を計算するようになるので、時効を延ばすことができる。もっとも敷金返還の時効については5年あるので、そうそう時効にはならないはずですが。ちなみに、一般的な債権は民法による10年の時効ですが、敷金に関しては商法が適用され5年と考えられているそうです。

デメリット

法的拘束力はない。内容証明郵便で請求したからと言って、請求を受けた側に支払う義務は発生しない。あくまで請求人の権利を主張するだけになります。

お金がかかる。通常の郵便であれば、82円か92円で済みますが、内容証明郵便の手数料がかかります。料金の計算方法は割愛しますが、私の場合、1300字程度(用紙5枚)で2,302円かかりました。

文章を作成するのがたいへん。文面を作成するのは、慣れていないと大変です。今はネット上で例文がいくらでも手に入りますが、やはり自分の状況に合わせて文章を変えたりするのは面倒です。

また、用紙サイズ、縦書き・横書きなどは自由ですが、一枚の用紙の中で、行数の制限と1行の文字数の制限があります。Wordで書類を作成する場合は、原稿用紙設定を使うと簡単ですが、設定に少々注意が必要です(細かい注意は後述します)。マス目の有る原稿用紙設定ならば、郵便局の人も確認するのが簡単なので親切でしょう。

内容証明郵便に必要なもの

①送る文書 

②送る文書のコピー2部 

③送るための封筒 

④お金(3,000円あれば余裕) 

⑤印鑑(認印で可)

※送る文書が用紙2枚以上になる場合は、ホッチキスで2カ所留めの上、割り印が必要になります。

※送る文書のコピーも同様に2枚以上の場合は、ホッチキスで2カ所留めの上、割り印が必要になります。

※送るための封筒には、あらかじめ宛先と自分の氏名住所も書いておきます。

※印鑑は、割り印したものと同じものを持参する。訂正が必要な場合必要になる。

手続き

・手続きは比較的大きい郵便局でなければ、できなようです。簡易郵便局はさけましょう

・配達証明付きで良いか、と聞かれる場合がありますが、配達証明付にしてもらいます。

・意外に時間がかかります。私の場合、書類を受け取ってもらってから、1時間後ぐらいに携帯電話に、確認が終わったので再び来局してほしいと連絡がありました。すぐその場では終わりません。

・私の場合は、訂正は無くそのまま受け取ってもらえました。そして、郵便局に判子を押してもらったコピーの1部を受け取り、送る文書を封筒に入れて封をして、料金を払っておしまいです。

後日、配達証明書が郵便局からハガキで届きます。私の場合、その日の午後に送って、2日後に相手に到着し、さらにその2日後に配達証明書が私の手元に届きました。郵送する距離にもよりますが、相手に確実に届いたとわかるのに、4日は必要です(同じ県内の別市内の場合です)。

注意点!

記載事項に誤りがないように、よく確認してから送りましょう。私は支払てもらうための口座情報を間違えて記載して、とても恥ずかしい思いをしました…。

 

Wordの原稿用紙設定注意点

Wordの原稿用紙設定を使って内容証明郵便を作成すると字数・行数の心配がいらないので楽です。

最初は、デフォルトの設定で作成して、後から原稿用紙設定に変えると作りやすいでしょう。

しかし、注意事項がいくつかあります

・ヘッダーとフッダーは「なし」にする

・句読点のぶら下げを行うのチェックを外す

※これをやっておかないと、字数オーバーで訂正もしくは再作成をしなければならない場合があります。

原稿用紙設定

内容証明の失敗例

※失敗例①

句読点が原稿用紙外にはみ出している。一行の文字数制限に引っかかる場合があります。

その時は、はみ出した句読点に打ち消し線を引いて訂正印による訂正を行うか、再度基準に合うように作り直す必要があります。

対策としては、上記の句読点のぶら下げを行うのチェックを外すことです。

内容証明失敗例1

※失敗例②

余計な文字がある(ここでは「20×20」)

Wordのフッター設定で自動で出ます。背景あつかいだと思ったら、パソコンで作成した場合は文字としてカウントするので行数オーバーになるとのことでした。

ちなみに、市販の原稿用紙にもこのような記載がありますが、それはセーフ、問題ないそうです

…ちょっと納得いきませんね…。

これも、はみ出した部分に打ち消し線を引いて訂正印による訂正を行うか、再度基準に合うように作り直す必要があります。

対策としては、ヘッダーとフッダーは「なし」にする、です。

内容証明失敗例2

※失敗を成功に変える

どこかのサイトで読んだのですが、ワザと訂正する箇所を作って、そこに郵便局の印を押してもらうことで、内容証明郵便の見た目の印象効果を上げるテクニックがあるそうです。

確かに、普通はベージの割り印しか郵便局の印はないので、本文は普通の手紙と変わりませんが、印があると何となく立派に効力がありそうに感じます。

しかし、実際の内容証明郵便の効力には何の影響もありませんし、郵便局の方に手間を迷惑をかけるのであまりおすすめはできません

※訂正の例

なるほど、印があると、1ページ1ページ郵便局が内容を証明してくれているような印象があります。

最終ページの余白について

内容証明の最終ページには、郵便局が証明の印を押します。

よって、多少のスペースが必要です

しかし、ちょうどページを使い切って終わった場合どうなるのでしょうか

私の場合、原稿用紙2行くらいスペースが残ったので大丈夫だと思って郵便局にもっていきましたが、ちょっとスペースが足りなかったようでこんな措置がとられました。

内容証明 用紙継ぎ足し

用紙の継ぎ足しですね。

実際の内容証明郵便の効力にはなんの影響もないのですが、ちょっと見た目が悪く、継ぎ足した部分は折り曲げないと封筒に入れることができないし、郵便局の方に手間をかけてしまいますので、できればスペースは取っておきたいところです。

しかし、そのために内容証明郵便の文章を変えるのもおかしな話なので不可抗力と言ったところでしょう。

あきらかにスペースが足りない場合は、白紙のページを最後につけてもいいかもしれません。

 

郵便局、局員によって対応が違う

私は一つの郵便局しか利用したことがありませんが、2回内容証明郵便を利用したことで分かったのですが、1回目と2回目では対応が違ったのです。

上記で紹介した失敗例は実は2回目に内容証明郵便を送ろうと郵便局へ行ったときに指摘されたのでした。さらには、1回目に送った内容証明郵便を見返してみてわかったのは、1回目の時は上記のような失敗例と同じミスをしていたにもかかわらず、内容証明郵便として普通に送れてしまっていたことです。

その郵便局の中で何があったかは分かりませんが、こういうことが起こるということは、他の郵便局でも起こる場合もあるし、起こらない場合もある、対応する局員によっても違ってくることがありうるということです。

つまり、郵便局や局員によって内容証明郵便に対する知識・理解に差があることを証明しています。

確かに内容証明便はあまりメジャーなものではありません。普通に問題のない生活を送っていれば一生使うことはないでしょう。そうであれば、郵便局、局員によって知識・理解の差が出るのはある程度は仕方がないと思います。

しかし、公的な証明効力を持つ内容証明郵便においてこのような取り扱いの差は非常によろしくない。

送る側としてはどうしようもできない問題ですが、局員が慣れていないと送るのに苦労することがあることも覚えておいた方がよいかもしれません。

 

郵便局にクレームを入れた

上記にような、対応が違うこと。最初に良かったことが後でダメだと言われたことは、苦しみながらも内容証明郵便を利用して問題を解決しようとした私を怒らすには十分でした。

さらに、上記の失敗例に対する注意事項も郵便局のHPにはありませんでした。

よって私は郵便局のHPのお問合せから、以下のようなクレームをいれました。

内容証明郵便を利用した際に、A4サイズ縦の横書き20×20の原稿用紙に句読点が枠外へはみ出たら、字数オーバーと言われました。通常の原稿用紙の使い方では許されるが、内容証明郵便では許されないのか?そもそも、そんなことは貴社ホームページに書かれていない。

また、内容証明郵便の原稿をパソコンで作成しているが、Wordで原稿用紙の書式を使用すると、初期設定では枠外のヘッダー部分に自動で原稿用紙の行数×文字数が印字される(例:20×20)が、これも字数に含まれるため制限オーバーすると言われた。市販の原稿用紙の場合は20×20のような記載があっても問題ないのに、パソコンの場合は問題があるのは納得がいかない。そもそも、そんな注意事項は貴社ホームページに書かれていない。

加えて、最近2回内容証明郵便を利用したが、1回は上記どちらもおとがめなしで、受理された。郵便局職員もよくわかっていないのは、貴社の教育が悪いし、制度を明確にしていないせいである。

内容証明郵便はその性格上、つらい思いをしてる個人がやむなく請求などの主張を通すために使うことが多い。しかし上記のように指摘され、何度も修正させられるのは、ただただ、貴社が自分たちの都合を利用者に押しつける行為であり、利用者の気持ちをないがしろにしている。大変不愉快であり貴社からの謝罪を要求する。

また、ただちに貴社ホームページや貴社社員に対し、誤りが起きないよう対策すべきである。

今読むともう少し穏やかに書けばよいのにとも思いますが、クレームとはこういうものなのでしょう。

そして完璧な模範的文書な返答が届きましたのでこちらもご紹介いたします。

郵便局の返答

見事な返答だと言わざるを得ないですね。クレーマーの怒りをさらりとかわす、それでいて一応答えにもなっているので、私もクレームを送ってから数日たっていたので、すっかり冷めて納得してしまいました。

今後の郵便局の対応が良くなることを期待したいですね。

内容証明郵便は複雑なルールがあるわりに、用紙の大きさや制限以内なら書式は自由という手軽さが、矛盾のようにより問題を複雑にしている感じがします。

訴訟ごとにするほどでもない小さなもめ事には大変効果的な内容証明郵便ですから、より使いやすいものになることを切に願います。

内容証明の文章の例

これまでに2種類作成してブログで公開してますので紹介します。

内容証明郵便

高額な原状回復費用の無効と敷金の返還を求めるために内容証明郵便を出した話

2017年10月17日
内容証明郵便

退職後、精神的苦痛に対する慰謝料請求と仕事のミスによる損害賠償を拒否を内容証明郵便でした話

2017年11月24日

 




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ABOUTこの記事をかいた人

うつ病手前になって退職したり、会社から損害賠償求められたり、逆に精神的苦痛に対する慰謝料を請求したり、アパートの退去で高額の原状回復費用を求められたり、円錐角膜という病気になったり、そんな人生をブログにしてます。 現在は仕事を探している。 長野市で開催されるコンセプトカフェイベント「ルドロウキャッスル」を応援しています。