どこにでも必ずいる嫌な上司、理不尽な上司
サラリーマンなら誰しも一度は悩む、上司との付き合い方。特に理不尽なことばかり言う上司との付き合いは大変なことです。しかし、彼らの言いなりになってはいけない。とりあえず、言うことを聞いておいて適当にやり過ごそうと思ってもいけない。それがもたらすリスクと対処法を説明します。
リスク① 理不尽がエスカレートする
理不尽な上司というものは、部下がいうことを聞くと思えば次々と無理難題を押しつけてきます。最初の内は、われわれも上司に褒められたい、認めてもらいたいと思い頑張るのですが、それが完全に裏目に出ます。最終的に仕事の量は増やされ続け、それは止まることがないのです。
リスク② 責任を押し付けられる
理不尽な上司は、無理難題を押しつける上に責任も押しつけます。つまり、失敗したら責任を取らされます。当たり前のことかもしれません。ミスの原因は部下にもあるのですから。
そこはミスを認めて謝罪し再発防止策を練り責任を取るべきですが、理不尽な上司は責任の押しつけ方も常軌を逸しています。上司の指示に従ったにもかかわらず、罰せられるのは部下だけなのです。指示をした上司にも責任があります。これも当たり前のことなのですが、なぜか理不尽な上司のいる会社はこの常識が通用しません。そればかりか、部下に対し信じられないような罵詈雑言を叩き付け、弁償させるのです。(弁償させる行為も労働基準法上、問題があるのですが、この常識も通用しません。)
リスク③ 精神的ダメージが大きい
リスク②を見ていただければ十分理解していただけると思いますが、これで精神を病んでしまう人は多いようです。かくいう私もそうでした。しかしたとえ、業務上の失敗がなくなんとかやり過ごしていたとしても、そんな上司との付き合いだけでストレスが溜まります。そのストレスは徐々に精神をむしばみ、仕事への意欲・意義すら持てなくなってしまいます。
どうしたらよいか
上記のようなリスクがあることは、ちょっと考えれば誰でもわかることかもしれません。しかし、わかったからといって対処できている人は少ないのではないでしょうか。
私の場合
上でも触れましたが、私自身対処できずに15年勤めた会社を辞めることになりました。とにかく嫌な上司でしたが、なんとか仕事をこなしていきました。そして徐々に仕事も増えていったのです。それは、会社からの期待と信頼もあったと思いますが、徐々に私は仕事に対する余裕を失っていきました。そして、とうとう大きな失敗をしてしまった。
その上司の指示で、ある人物へお金を振り込むという仕事でしたが、それはトラブルの和解金のようなもので、ちゃんとした請求書があるものではなかったために、わたしは違う金額を振り込んでしまったのです。いくつか金額が書かれた書類(トラブルの資料)を渡され、上司としては自分の手書きで書いた金額を振り込んで欲しかったそうですが、わたしはよく確認もせず自分の判断で別の金額を振り込んだのでした。
仕事に対する余裕を失っており、上司との信頼関係もできていないがために起きたケアレスミスです。そして、上司の指示もあいまいであり本来は責任を問われるべきでしょう。振り込む金額を赤く囲むなどもなく、口頭だけの指示でした。しかし、上司は一方的にわたしを怒鳴りつけ叱り倒して弁償を求めたのです。これには精神的に参ってしまいました。自分のミスの責任と上司からの罵倒の両方に押しつぶされてしまったのです。
さて、ではどうすればよかったのでしょうか。わたしの上記の体験はもはや末期状態です。たとえあのミスを防げても、また同様の事態が起こらないとも限りません。そもそも上司との関係に問題があったのです。
対処法① なぜ理不尽なこと言うのか理解する
理不尽に理由もくそもないと思われるかもしれませんが、理不尽な上司はちゃんと理由があって理不尽なのです。
理由①上司も部下に認められないことを恐れているから
理由②本当はその上司に能力がないから
意外に思われるかもしれませんが、理不尽に隠された裏の心理は上記のような「劣等感」です。表には出しませんが、上司は能力のない自分を認めさせるために理不尽な行動をとるのです。たとえそれが逆効果であろうとも。部下が優秀であれば自分の地位をおびやかされることを恐れます。そして、自分のコントロール下に置こうと理不尽になるのです。
しかし、うちの上司は理不尽だが知識と経験が豊富で有能な上司だよ、という場合があります。私の上司もそうでした。しかし、よくよく考えてみると確かに知識も経験も豊富ですが、決して自分で仕事をしようとはしませんでした。上司だからと言えばそれまでですが、本当は出来ることしかやっていなかったのです。
最後に注意してほしいのが、だからと言って、かわいそうな上司などとは思わないでください。対処法②で書きますが、それでは上司との関係は改善しないからです。
対処法② 普通に接する
普通に接するということは、上司と対等な関係を築くということです。対等というのは役職や経験などが違ったうえでの、意識の上での対等です。上司の考えが間違っていると思えば反論すべきなのです。ただし、上司が反発し怒りだしてもその感情にのってはいけない。どちらが正しいのかという争いになってしまいます。大事なのは争うことで上下関係をはっきりさせることではなく、協力できる対等な横の関係を築くことです。こちらにも忍耐が必要ですが、もしかしたら上司の方から普通に接してくれるようになるかもしれません。
対処法③ 逃げる
どうしても理不尽に耐えかねる場合。まず、法的に問題があれば労働基準監督署へ相談すべきでしょう。しかし、それができない場合もあります。現にわたしも労基へは相談しませんでしたし、自分のことで精いっぱいで相談ができる精神状態ではなかったのです。
最終防衛手段としては逃げるほかにありません。どこへ逃げてもいいのです。同僚が助けてくれそうなら同僚のところへ。家族がいれば家族のところへ。会社を辞められれば辞めた方がよいのです。それも難しいなら引きこもりになってもいいのです。どうにもできないことをどうにかしようとすると、余計に苦しくなります。何もしない方がよいのです。逃げましょう。できれば自分が傷つく前に。
まとめ
理想は対処法②でしょう。しかし、どうしてもうまくいかないのなら逃げるべきでしょう。私は残念ながら対処法②を選ぶという発想もないままに逃げてしまいました。もっともミスをした後からでは対処法②を選ぶことは難しかったでしょう。この次、理不尽な上司にあたることがあるなら、出来る限り普通に接していこうと思います。簡単な道ではありませんが自らが動かないことには人は変わらないからです。
まあ、それでもどうにもならないのなら、もうなんでもいいやと開き直りましょ。なんでもいいじゃん。
失敗例、というか被害例
対応に失敗すると私のように大変なことになります。
その話は下記のブログ記事になっています。参考までにどうぞ。
★参考書籍
岸見一郎著「アドラーに学ぶ よく生きるために働くということ」
※補足 アドラー心理学には上で書いた対処法③のような発想はありません。「逃げる」というのはわたしの考えで、俗世間から離れるという仏教思想に近いものになります。
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